不景気

元同じ職場で働いていた同僚が去年会ったとき、三菱に派遣で働き身体をこわし、仕事ができなくなったので、生活保護を申請するよと言っていた。08年度は世界的な金融不安の中で大きく景気が後退し、年末には派遣切りが社会問題化した。09年度に生活保護世帯がこれまでの傾向以上に増加した背景には失業者の受給増が大きく影響しているのは、勤労者の給与が減少する中で04年から08年にかけて生活保護基準は据え置かれたままであり、下手に働くより生活保護を受けた方が有利という条件下の世帯が増えてきた影響も見逃せない。2009年12月には保護世帯数がはじめて130万を越えて、伸びがすごいと思ったが、 今年6月に生活保護を受けた人が、前月比1万8822人増の190万7176人となったことが22日、厚生労働省のまとめで分かった。受給者が190万人を超えたのは1955年以来で、 昨年12月の180万人超から半年で約10万人増加した。受給世帯数は前月比1万3711世帯増の137万7930世帯で、過去最多を更新した。半年で7万世帯増えたが、これからもっと増えるだろう。

日本の景気

アメリカは日本と違い長期にわたって、投資や貯蓄を超過する状況が続いてきた。これは貯蓄する以上に消費することで、国全体から見たとき、誰かからの借金でその消費をまかってきた。アメリカの国には、消費をまかなうだけのお金がないのだから、海外からの借金に依存する。毎年GDP比で4〜5%という巨額の赤字が続いていた。世界経済においてアメリカが巨大な消費者と存在してきた。アメリカの国民が世界中から借金をして、その借金で車や家電製品を買い、それらの財を供給したのは日本や中国だった。2000年以降の世界の景気を引っ張ってきたのは、アメリカの消費だった。したがってアメリカの借金依存体質の改善の経常収支赤字の解消が図られることは、日本や中国が輸出していた巨大な消費市場が消えることで日本の輸出の激減、そして不況になった。しかし、やや長い目で見た場合、中国市場がこれまでのアメリカ経済に代わる存在になるかは疑問である。このことを考えるとアメリカの経済が良くならないかぎり日本の景気はよくならない。

リーダーとは知識、見識、胆識の三識を身につけている人である。最初の知識は説明しなくても解る。情報やデーターを持っている人である。次の見識は、知識に自分の考え方を付加価値としてプラスしたものである。胆識は、この見識にさらに決断力と実行力を加えたものである。料理に例えると、知識は生野菜、生野菜をサラダや炒めものにして、美味しく食べられるようにしたのが見識である。この料理を美味しく味わい、栄養分を自分のものにするところに胆識が生まれる。知識の段階では単なる物知り、見識で留まっている限りは評論家であり批評家で、学者の世界。リーダーで大きな仕事をやり遂げるのは胆識の持ち主である。リーダーは、評論家、批評家、学者と違い結果を出す人でなければならない。そのために判断と決断と、それに断行がともなわなければならない。

GDP(国内総生産)の二位を奪われる

マスコミが管か小沢かと騒いでいるが、日本がGDP(国内総生産)で中国に抜かれて世界3位になったことをマスコミが取り上げた記事は見かけない。中国のGDP(国内総生産)が日本のそれを上回ることの報道である。1960年代の高度成長の結果、アメリカに次いで世界第二位の経済大国を自負してきた日本が、その地位をお隣りの中国に奪われてしまった。日本が中国に経済援助を行っていたのは、つい最近のことである。それがあっという間に抜かれてしまった。いずれこうなることは解っていたが、これほど早く日本の経済の衰退を感じ得ない。

株式市場

世界同時不況の引き金となったサブプラム問題の元は、専門家によるデタラメな格付け評価にあるといわれる。売り手にとって都合の悪い事実を隠した格付け評価は、買い手の視野から見るとデタラメで、不幸に、裏事情を知らない買い手は、提灯もちの専門家の評価を素直に信じて、後に紙屑となるハイリスク証券をつかませた。2007年7月以降の株価の動きを見ると、ニューヨークやヨーロッパは年初の水準を上回る動きを示し、日本は2割から3割の大幅な下落となっている。これは株式市場の買い手であったヘッジファンドなどの換金のための売却と関係している。株式は需給関係(株式の売りと買いの取引量)とファンダメンタルズ(基礎的諸条件で企業の売上とか利益を指し、企業の業績と言われるものである)によって動く。通常は、企業の業績と売り買いは連動する。企業の業績が良ければ、その株に対して買いが増えて、株価は上昇する。時には業績と関係なく売買されることがある。サブプラムによってリスク資産から現金への逃避が始まった。これは投資家から資金返済を求められたヘッジファンドが、返済資金の手当のために投げ売りとも言える株の売却を行ったためである。売却のために利用されたのが、外国人の売却高シェアが7割から8割と高い東京市場であった。東京市場流動性もあり、現金化にするのに利用された。そのために日本の株式市場の下げが最もきつい下げであった。日本の株式市場が外国人に8割もシェアを奪われること事態、異常で3割ぐらいにおさえなけれ健全な市場にならない。

世間

お医者の娘が結婚し、その子に子供ができ、相手方の両親が出産祝いに20万円を出したので、娘方は25万円を出したそうだ。相手方のご主人は慶応大学の教授で奥さんは青山大学出の才媛だという話だ。医者の奥さん曰く、娘はいい子だという。サーラーリマンから見れば異常な世界だと思うし、世間知らずの娘だと感じる。一方では、街にはデフレで個人が経営するオシャレな、お店が知らないうちに閉店している。何処の街にいってもチェーン店が経営するお店があり、地方に行っても個性や特色がなくなってきた。それならばわざわざ出かけなくてもよく、近場にしようとなる。

日本の不景気の原因

日本は1980年頃まで輸出と輸入は両方とも額は小さく、輸入と輸出額との間の差額は、ほとんどありませんでした。しかし、1985年頃から、輸出から輸入額を引くと、巨額の貿易黒字が出るようになってきた。これはバブルのころで、日本のバブルは貿易額を急速に増やし、貿易黒字がでるようにした。だが不思議ことに、バブルが破綻の1990年代以降もいつも10兆円ぐらいずつの巨額の貿易黒字だけは増え続けている。貿易が黒字であるのなら問題がないように思えますが、この貿易黒字が1990年以降の不景気につながっていくのである。貿易黒字が25年間も続くと、そのお金はどこかに貯まる。日本人が海外に保有する資産から、外国人が日本に保有する資産を引いた対外純資産は1986年ごろまではゼロで、今は250兆円もある。25年の分の貿易黒字毎年10兆円に相当する。日本国内ではほとんどゼロ金利ですが、海外に貯めた資産からは利益が出てくる。2000年には対外所得収益収支黒字が10兆円を越えた。貿易で10兆円の黒字を稼ぐだけでなく、日本は海外投資からそれ以上を稼いでいる。さらに投資されるので、対外純資産は加速的に増えている。日本の景気が非常によかった1986年のバブル期では、所得収支黒字はプラス2兆円にも達していませんでした。大きな異変が起きたのは、失われた1990年以降である。2000年以降も海外から受け取る所得はさらに増え、さらに海外投資し、対外純資産は加速的に増大し始めている。このように海外に出ていて、投資すると日本国内の投資は止まってしまう。1970年から1990年代までは、国も企業も国民もみんなハッピーで、バブルが弾けたとき、企業は苦しい状態に陥りましたが、それでも1990年代はリストラの危険があったとはいえ、国民はもらった給料を貯蓄し、それを国が借りていた時代だった。2000年以降、企業は海外にいってしまい、国と国民は困ってしまった。なぜ日本企業は国内を見捨てて外に出て行ってしまうのか。それは円が実力以上に高くなり、このことは海外に比べて労働コストも企業の運営コストも高いことにつながる。日本は双子の巨額黒字、貿易黒字と所得収支黒字により、日本の円為替レートをさらに高く押し上げる。そこで、メーカーとしては日本での製造をあきらめざるを得なくなり、ついに国内の雇用を守れない状態になってきた。なぜ、このように貿易黒字が増え続けるのは日本人特有の不備に備えて貯めておこうという行動に走らせてしまうではないのか。国内でも老後の不安があるからと言ってお金を使わず貯蓄するのと同じである。それが国内では1500兆円も貯蓄されて、結局はその7割近くを中央と地方の政府が使ってしまった。この政府に貸したお金は金利さえつかない。一方の海外投資したお金250兆円から6パーセントほどの利回り、16兆円の所得収支黒字を稼ぐ。しかし、国内には投資にはお金が回らないことにより企業の国内投資に意欲がわかず、海外の関係で双子の黒字のために円高が過度に起こり、このため製造業の海外逃避を余儀なくされてしまう。メーカーはグローバル化で困らず、国民と政府は困ってしまう。言うなれば、日本の国民と政府は民間企業に見なされてしまったのである。国民はいかに日本のメーカーが海外逃避する事を止め、自国に向かわせること考えなければならない。そのための原資として毎年創り出される巨額な双子の黒字がある。なぜゆえ日本国内で企業が立地できず、海外に目を向けるのか。なんといっても円が高く、GDPが伸びず、労働コストと法人税も高い。規制が厳しく海外に言ったほうがいいとことになる。日本の個人資産1500兆円の投資先は1980年代のバブルが弾けた結果、国民は投資に懲りて、郵便や銀行預金にお金が向かった。企業が技術革新に投資をしなくなり、国民は株式に投資しなくなったことも、現在の不景気のひとつの原因となっている。国民が預けた郵便貯金や銀行預金は誰かが借りてくれないと利子が生まれません。借り手をさがしましたが、バブル後の1990年代には民間企業に貸すにはリスクが多く、倒産する可能性あった。そこで国と地方自治体に貸し付けた。1000兆円ほどが国と地方自治体への貸付に回った。これが現在の国と地方自治体の蓄積された巨大な財政赤字なのである。誰かがお金を貯めたら、誰かが借り、誰かが使う。これがお金の回りかたの原理原則である。こうして、国民が貯めたお金を国と地方自治体が借り、そして使ってしまった。1990年代当時は、国や地方自治体に借りてもらうほかはなかった。金利を払って借り手いるいじょう、お金を使わなければ金利を払うことはできません。国や自治体は将来のために役に立つ、ダム、飛行場、高速道路、コンサートホール、美術館などを造り続けた。それらの多くがその後、殿様商法といわれる状況になり、赤字が出たり、処分せざるを得なくなったりした。将来への投資を民間企業にやらせずお役人にやらせたことが間違いのもとであったいうことになる。国民の貯蓄の殆どは、不安の老後への備えだと思われる。この1500兆円貯め、政府は、このお金を過半を借りて使ってしまった。その金額が1100兆円で、急にすべてを返せと言われても返せる額ではありません。政府の税収は2009年で40兆円程度ですので、30年分の税収を全部吐き出さなければ返せない額である。当然無理で、これだけの借金をすると、金利を払うのも不可能である。たとえば4パーセント金利として毎年44兆円で、税収40兆円しかないのに、払えるわけがない。このため国全体として金利はゼロにせざるを得ない。貯めたお金は誰かが借り、誰か使う。後世に貯蓄を残すこともできないし、後世に借金も残すことはできない。ならば後世に何を残せばいいのか。後世に残せるものは、ものやインフラ、制度、人材などになる。