日本の景気

アメリカは日本と違い長期にわたって、投資や貯蓄を超過する状況が続いてきた。これは貯蓄する以上に消費することで、国全体から見たとき、誰かからの借金でその消費をまかってきた。アメリカの国には、消費をまかなうだけのお金がないのだから、海外からの借金に依存する。毎年GDP比で4〜5%という巨額の赤字が続いていた。世界経済においてアメリカが巨大な消費者と存在してきた。アメリカの国民が世界中から借金をして、その借金で車や家電製品を買い、それらの財を供給したのは日本や中国だった。2000年以降の世界の景気を引っ張ってきたのは、アメリカの消費だった。したがってアメリカの借金依存体質の改善の経常収支赤字の解消が図られることは、日本や中国が輸出していた巨大な消費市場が消えることで日本の輸出の激減、そして不況になった。しかし、やや長い目で見た場合、中国市場がこれまでのアメリカ経済に代わる存在になるかは疑問である。このことを考えるとアメリカの経済が良くならないかぎり日本の景気はよくならない。