世界単一市場の誕生

10年前は、外国との関係は国際という言葉が多く使われていました。国際間、国際事業、国際人など色々な国際と言葉が使われていました。国際の際、すなわち国との境がなくなり、国と国との間を仕切る壁がなくなり、経済に関して国と国の堺を意識しなくても、自由に経済活動が運ぶようになってきました。経済の世界では国境を大きな障害として意識せずに、物もお金も人も動き回っています。世界は一つのマーケット、市場になって、一つの共通の価値基準や商品やサービスが選別され、取引されています。そこに商品も資源も人も自由に流通して、高い所から低い所に、水の流れように需要を求めて移動していきます。ですので同じ商品には同じ値段がつけられるようになるのです。日本の企業は1990年代以降のバブルを精算し、2008年初めまでは、連続して記録的な好業績を記録し続けてました。大手企業は最高利益を出しているのに地方の中小企業には回ってきません。かっては大手から中小、中央から地方へと景気が波及していた時期がありました。しかし、今グローバル市場で活動する自動車、家電、電子通信をはじめとする大手企業は、生産拠点を海外に移し、グローバル市場に対応する体勢にしました。このことが日本における生産拠点、子会社郡、それを取り巻く関連サービス業界を一変させました。大企業は毎年最高益を謳歌してきましたが、その収益は海外の事業単位から上がっているのです。かつてのような日本国内で大手企業の周辺下請け、孫請けから地方の事業会社、サービス産業へと順次おこぼれが回っていく波及効果はなくなったのです。にもかかわらず、メディアも政府もこのことを知っていながら「いつか景気は良くなるよ」発言しているのです。本当のグローバリゼーションの中で生きていく道を素直に言うべきで、国民や中小企業をだまし続けているのです。地方格差というたわ言を聞きたくありません。