貧困の連鎖

ある関西の有名高出身の学生は頑張って医学部にいくという。それは大変結構なことだが、医学部に興味があるのかというと、そうではなく、高校時代のライバルより下になるのが我慢できないのがどうきで、どこかがずれている。いま介護の現場に若者が、お金のために入ると理想とのギャップにより、弱いお年寄りをいじめかねない。本当にお世話をしたい気持ちがないと悲劇が起こる。今日の受験競争に勝ち残ってきた学生たちは、学校の勉強とは、好き嫌い以前に、ともかくこなしておくものと思っている者が少なくない。成績のよい人は銀行、商社、官僚に流れて行く。はたしてこの人たちは理想を持ち、国を少しでも好くしようとする使命感をもって仕事をするのだろうか。商社の丸紅に入っても新入社員は200人も入ってくる。これから一つの椅子に向かって、椅子とりゲームが始まる。
経済新聞にソニーや日本ビクターが格安パソコンや1万から2万円のビデオカメラを中国に生産拠点を持つ台湾のEMS(電子機器の受託サービス)などを活用し巻き返すと書いてあった。ますます日本に工場を持たず、下請けや海外に受託する方法を取り始めた。下請けはコスト削減を大手の企業からせめられ、従業員の給料を下げることにしかコスト削減はできない。大手は日本に本社部門と企画、設計、研究部門だけを残し海外に工場移したり、委託することになる。中学や高校では年収300万に甘んじなければならない。公共部門や役所の人員削減、工場の海外移転で高校卒の働く場所が奪われてしまう。