山あり

倒産手続の開始が宣言されてから120日間は、債務者のみが再建計画を提出できる(1121条(b)項)。債務者が上記120日間の間に再建計画を提出しなかった場合には、他の利害関係者(債権者・債権者委員会・株主等)も再建計画を提出できる(1121条(c)項)。再建計画の中核をなすのは、債権者の権利の取扱い(金額や支払方法の変更等)である。
提出された債権計画はまず、各クラスにおいて、債権者数にして過半数かつ債権額にして3分の2以上の賛成により承認(acceptance)されなければならない(1126条)。
再建計画は提出された債権計画ただし、次の例外がある。
再建計画によって権利の内容が変更されないクラスや、債権全額が即時に支払われるクラスは、利益を害されていない(not impaired)のでその承認を得る必要はない(1126条(f)項、1124条)。
利益を害されるクラスのひとつが承認に反対している場合であっても、利益を害される他のクラスのうち少なくともひとつのクラスが承認しており、かつ、再建計画が公平(fair and equitable)で反対クラスを不公平に差別(discriminate unfairly)していなければ、不承認のクラスがあっても裁判所は再建計画を認可できる(1129条(a)項(10)号、1129条(b)項)。このように、あるクラスの反対を押し切って再建計画の認可を得ることを、クラムダウン(cramdown, cram down)と呼ぶ。
必要なクラスの承認が得られれば、裁判所は、債権計画が第11章の所定の諸要件(共益費用の全額支払や債権計画の実現可能性等)を満たしているかを審査した上で、これを認可(confirmation)する(1129条)。債権計画が認可されると、再建計画に反対した債権者もこれに拘束され、債務者の負う債務は再建計画のもとの債務に変更される。認可以前に生じた債務は免責(discharge)となる(1141条)。

連邦破産法11条を読むと提出された債権計画が各クラスにおいて、債権者数にして過半数かつ債権額にして3分の2以上の賛成により承認されなければならない。うまくいかないと連邦破産法7条の倒産になる可能性がある。2ヶ月の勝負、7月にはクライスラーの道筋が見えてくる。