閉塞感

日本政府は数年前に雇用規制を緩和し、それにより日本企業は、終身雇用を減らしつづけてきた。そのため、日本の労働人口の 1/3 以上がパート・タイム労働者である。継続的な雇用にとってかわる派遣社員の需要が生まれ、それを埋めるように派遣会社が勢いを増した。
月給とりだったベビーブーマー世代が死んでいなくなると、経済崩壊が加速するのではないかと多くの日本人は心配している。世界経済における日本のシェアは 1994 年のピーク時には 18% だったが、それも 10% 以下に落ちこんでしまった。このまま衰退状況がつづけば収入格差はひろがるだろう。かつて安定していた世の中がバラバラになる恐れもあるのだ。
今の若者は大学や産業界、政府のエリートになるのに必要な必死の勉強やまわりくどい試験の価値が下がっていくのも目にしてきた。チャンスが減ってくれば長年の勉強も水泡に帰す。それとは対照的に、短期の仕事を転々とし、海外旅行や趣味などにもエネルギーと時間をあてるのが現代の若者のライフスタイルである。経済協力開発機構(OECD)は18日に発表した経済見通しで、日本は2011年に1.7%、2012年には1.3%に成長率が減速する見通しとされた。