アメリカの経済は粉飾

2月の米雇用統計で、大雪など悪天候にかかわらず雇用者数が予想ほど減少しなかったことから、米経済に対する不透明感がやや薄らいでアメリカの株は買いが優勢となった。米経済は回復基調にあると見える。。しかし、回復基調の象徴とされた2月末に発表されたいくつかの経済指標は、よく見るとむしろ米経済の継続的悪化を示している。その一つは、米国の預金保険制度であるFDICが発表した昨年末時点の米銀行界の業況で、経営難に陥っている銀行の数は3カ月間に27%増えて702行となり、銀行界の融資総額は前年比7・5%の減少となっている。景気が回復しているなら銀行融資は増えるはずなので、この数字は不況の悪化を示唆している。