作・演出霞ヶ関

鳩山内閣が発足して100日たつが、官僚から政治指導内閣と言っているがそろそろボロが出てきそうだ。ダム建設を考えたとき、環境問題やエネルギー問題、地域振興から雇用問題まで幅広い分野が関係する。それを総合的に考えて計画は作らなければならないが、官僚が法律を作る日本では、どこか一つの官庁に所管させる話になる。どんな問題でも官庁のタテ割りで法案を作り、官庁と同じタテ割りの委員会がタテ割りの議論を行って法律を作る。これが官僚国家日本の立法府の姿である。しかし日本では議員が委員会に所属すると、所管官庁の官僚が訪れ、法案の中身や役所の政策について丁寧に説明する。他にそのような事をやってくれる組織も人間もいないから、たいていの議員はその説明を鵜呑みにする。霞が関は情報の宝庫だから議員は次第に霞が関の情報に頼るようになる。そしていつの日か洗脳される。官僚と親しくなると情報だけでなく献金も選挙の票も集めてくれる。法案を書くのは官僚だから答弁書を作るのはお手の物である。それを閣僚が棒読みする光景がしばしば見られる。情けないのは何を質問して良いか分からない野党議員まで官僚に質問を作ってもらう。こうなると国会は政治家が振り付け通りに踊る役者で、作・演出は霞が関という事になる。