経済の地盤沈下

日本の株式時価総額が88から89年に国内総生産(GDP)を超えて急激に上昇し、90年から半値近くまで下落した。バブルとはGDPに対して、プラス5割から2倍程度にまで株式価値が評価されることである。中国も現在GDP4兆2950億ドル(約404兆円)が仮に年率5%の成長を果たしたとしたら、10数年後には2倍のGDP規模に成長する。しかしGDP以上の評価を与えるとマネーは縮小し、マネーバブルが起こることになる。今回の世界経済を壊滅的な打撃を与えたバブルはかって日本も経験した。実際には、アメリカの経済成長があったことで、全体にはそれほど落ち込まずに済んだ。不動産や消費といった内需産業は壊滅的な状態になったが、製造業は、成長を続けることができた。このことはアメリカの成長が世界を引っ張り、その中に日本は組み込まれていたに過ぎず、そのアメリカが、かっての成長が望めなくなったいま、経済の地盤沈下に陥る危険は大きいと思う。