息を潜める

自民党は、首都圏や京阪神に集中する製造業とその従業員から得られた税収を、それ以外の地域に公共事業などのかたちで再分配するという長期政策を持っていた。この政策下で箱もの行政や土建政治が続けられ、その体制は日本の経済成長が鈍化した後も、自民党が執政していたがゆえに変わらず、今では全国各地に誰も来ない巨大なコンサートホールや大赤字のテーマパーク、乗客の少ない空港などの構築物だけが負担として残されている。いま夜飲食店が空いている。外食を控えてデパートの食料品売り場で買い、自宅で食事をするようになっている。街の雰囲気が息を潜めるような感じだ。4年前は小泉チルドレンが当選し、何かをやってくれるのではないのか期待し、街は活気があった。周りにいた株を運用していた人達も月20万円以上の利益が出てそれなりに謳歌していた。塾を経営している塾長も生徒も集まらず、中学卒業し高校生になっても、継続して教えるために教科書買って勉強するそうだ。何処にいっても息を潜めていると言葉がピッタリだ。