磯崎憲一朗

今、磯崎憲一郎氏が第44回文藝賞受賞作の肝心の子供を読み始めている。自然描写がうまく、リズム感のある文体だ。たとえば、「馬は白い息を吐き、薄茶の砂と小石の混じる坂道を一歩一歩おとなしくおとなしく登っていったが、雪をいただいているのに遠目にはいつも黒くしか見えない険しい山々の上、向かい側真っ正面から差し込む朝日にまぶしそうに、伏し目になりながら歩いているようにもみえた。」馬の行動の細かい観察能力、一般には「馬は白い息を吐きながら薄茶の砂と小石の混じる坂道を一歩一歩おとなしく登っていった。」と書くだろう。
帰りに本やに立ち寄ってワンコイン500円の「オール1の落ちこぼれ、教師になる」を買った。ふだんは図書館で借りてきて、読んでしまうが、自分と同じような境遇なので買ってしまった。学ぶとは何かということのヒントになる。