考えるべきこと

政府は11月の月例経済報告で、日本経済は物価が長期的に下落するデフレーションに陥ったと宣言した。99年からの10年間の日本の成長率はごく僅かで、輸出や設備投資が上下する一方で、この10年間民間最終消費支出はずっと横ばいだったという特徴がある。日本経済はデフレに陥ったというよりも長期低迷していると言ってもらった方がいい。モノの値段が安くなるというのは消費者としてはありがたいが、日本経済にとって本当に良いことなのか考えるべきだ。日本の国債の格付けが「BB」を下回るようなことがあれば、一気に日本国債が暴落する可能性も十分にあると思う。GDP比約200%の累積負債というのは、実績の数値として悪すぎるからだ。日本の国債はほとんど日本国内だけに買われている。個人の貯蓄率は世界でも飛びぬけていることが、国債の暴落の起きない原因でもある。団塊の世代がこの世からおさらばし、今の世代に変わったとき、貯蓄率は低くなる。その時、国や経済が今の状態ならば考えただけでも恐ろしいことだ。