知るも地獄、知らぬも地獄

世界的な大騒動となった豚インフルエンザは、結局のところ、世界でも日本でも大した被害をもたらさなかった。しかし、話は全く終わっていないどころか、むしろ騒ぎがひどくなっている。秋から冬にかけて、再び豚インフルエンザが世界的に猛威を振るうという予測が、大した理由もなしに、米英政府や国連の保健機関WHOによって確実な話として発表されている。今回の豚インフルエンザ問題では、ワクチンを製造する欧米系大手製薬会社の影が、あちこちでちらついている。ワクチンの開発は通常、数百人から数千人に対する臨床試験を行い、問題のウイルスに対する効果があるかどうか、副作用がないかどうかを確認した上で、大量生産に入る必要がある。しかし、今回の豚インフルエンザ・ワクチンについては今秋には、再びインフルエンザの猛威が世界を襲うとの予測に基づき、できるだけ早くワクチンを開発せねばならないという話になっている。アメリカでは、1976年に豚インフルエンザが発生した時、製薬会社などの圧力を受け、米政府が米国民4000万人にワクチンを接種したが、このワクチンはギラン・バレー症候群という末梢神経障害の副作用を起こし、全米で約50万人がこの副作用に苦しみ、数十人が死亡する結果となった。近いうちに英国ではワクチンの接種が行われる。このワクチンはすでに副作用が懸念されている。このワクチンには、効力を増すための補剤としてスクアレン油が使われている。スクアレンは栄養補給財として市販され、それ自体は人体に良いものとされているが、これをワクチンの補剤として使うと、1991年の湾岸戦争に従軍した米軍兵士が罹患した湾岸戦争症候群と同様の副作用が出る可能性があると指摘されている。関節炎、線維筋痛、リンパ節症、発疹、慢性疲労、脱毛、皮膚病、めまい、発熱、記憶障害など、20近い症状がでる。。副作用におびえていやいや接種を受けたり、接種を拒否して犯罪者にされるより、何も知らずに接種を受けた方が幸せともいえる。知るも地獄、知らぬも地獄だ。