光と影

山谷と言う言葉は高校時代、同じ学年だった細川が汚い格好して俺、山谷に行って来た。得意そうにしゃべっていたので山谷の言葉は知っていた。今年の初旬、台東区上野の地図を見ていたら吉原という文字を見つけた。浅草から千束1丁目の商店街を歩いて吉原に行き上野まで歩いたときがある。大正、昭和の初めのレトロの街の雰囲気をだしているところが都内にまだあるのかビックリしたところが山谷地域だった。昨日南千住の図書館でダニエル・タメットの「ぼくには数字が風景にみえる」予約していた本をとりに行き返りに浅草まで歩いて行ったとき、日本堤1丁目商店街「いろは会ショップメイト」アーケードの不思議さがあったのでインターネットで検索して初めてそこが山谷地域と知った。南千住南口から浅草に歩き始めると右側に日本堤2丁目、左側に清川2丁目がある。ここが山谷地域の入り口と知った。東京都が「山谷地区」と指定する地域は泪橋交差点を中心とした簡易宿泊施設が集中する以下の地域が該当する。
台東区清川一・二丁目、同区日本堤一・二丁目、同区東浅草二丁目、同区橋場一・二丁目、荒川区南千住一・二・三・五・七丁目。
若い23歳のとき一人で北海道に旅行したとき地図の上では根室は大きく載っていたが寂れた漁村であったのにショックをうけたようにトヨタが世界一になっている国なのにまだこのような地域があるのには驚いた。本や学校で学んだ知識で感じない、肌で感じる体験は大事なことであることを改めて確認した。
日本がオリンピックと万博と世界にアーピルでき、成功できたのも山谷の日雇い労働者の力が貢献したことを忘れてはならない。オリンピックの競技施設や高速道路建設に大勢の若者が集められた。田舎の農村から国家プロジェクトのために都会に出てきて、オリンピック、万博の施設の建設に従事したがその人たちも今は60代の年齢になって社会から忘れられようとしている。派遣労働者も世界と競争と勝ち残るために低賃金で雇う制度、日本は資源がない国なので、資源を買ってきて、それを加工し世界に売っていかないと日本国民が食べていけなる。そのため利益がでる方法が派遣労働という制度が導入された。最初のころは派遣は特殊技能を持っている人たちが多かったが小泉改革で拡大解釈され、工場や中小企業の景気の歯止めにされた。今この人たちは30代だが60代になったとき、まともな年金がもらえず、山谷に住む人たちと同じような道をたどる気がしてならない。政治の犠牲になる人が出てくる。歴史は繰り返され、国の国家戦略のエネルギー問題で炭鉱が閉山され、夕張がが衰退したようにいつの時代も国の政策に貧しく知恵がなく財産もない人たちがいつも犠牲になる。
昨今、感動し味わうことが失われてしまっている。テレビも低俗の番組しか放送されていないし、雑誌も写真が多く、中身がうすくなった。昔ほど本を読む世代が少なくなって出版業界や本屋の倒産があるようだ。自分もほとんど買わなくなった。もっぱら図書館で借りて読む。千代田区、文京区、荒川区台東区の図書館の会員になっているがそれぞれ地域によって特長がある。荒川区の図書館は今出ている本があるし、文京区のCD、LPの数の多さにビックリする。レコード店で置いていないクラシックCDもある。何処の図書館でもインターネットで検索し予約できる。千代田区秋葉原の昌平まちかど図書館、文京区は末広町にある天神図書館、荒川区は南千住にある南千住図書館、台東区は浅草にある中央図書館が便利である。図書館として素晴らしいのは千代田区九段下の千代田図書館である。趣があって一度は行ってみる価値があるのが国会図書館、厳格な感じと思うが漫画も置いてあるし、若い人が借りて読んでいる。マンガ喫茶で借りて読むより赴きがあるよ。
若い20代はまだ青臭いところがあって、自分の生き方解らず哲学や人生論の本を読んだ。世界史や日本史にまったく興味がなかった。レットクリフから三国志を知り歴史がこれほど面白いことを発見した。日本文芸社出版の面白いほどよくわかる「世界の戦争し」と「日本史」は僕のような全く知らない人にも解りやすい本だ。これ読むと戦争はそこにある資源と利権が絡んで起こる事がわかる。そのときいつも底辺に生きている人間が犠牲になる。宗教もしかり、本当は人を救うための戦略なのに欲が絡むと悲劇が起こる。
昨日借りきた本「ぼくには数字が風景にみえる」ダニエル・タメットは心からの生の言葉で書いている。これほど素直に自分の感情を生の言葉で書いている文章は近頃ない。彼はアスペルガー症候群アスペルガーしょうこうぐん)、この人たちは興味・関心やコミュニケーションについて特異であるものの、知的障害がみられない発達障害者。「知的障害がない自閉症」として扱われることも多く。対人障害や、他者の気持ちの推測力、すなわち心の理論の障害が原因の1つと考えられている。特定の分野への強いこだわりを示したり、運動機能の軽度な障害も見られたりする。しかし、カナータイプ(伝統的な自閉症とされているもの)に見られるような言語障害は、比較的少ない。世の中にはこのような人々がいることを始めて知ったし、日々の感情の動きを書いてあるので理解できるようになった。新刊なので本屋で1700円で売っているし、立ち読みで読んだらいいよ。